「ペコちゃん焼き」を売っているお店がある。いや、以前あった。
モノとしてはタイヤキや今川焼き(大判焼き)と同じ類のものだけど、
ペコちゃんの顔が3Dで超リアルにかたどられてて、しかもウラ返すと
後頭部の髪の毛の流れ具合のディテールまで作りこんである。
初めての人は、かじる前にペコちゃんと目が合うと一瞬躊躇して、
「ペコちゃん、ごめんよ。」
という優しい気持ち(?)になってしまう…(w.
洋菓子の老舗、東京・銀座の不二家が存亡の危機に陥っている。
→不二家社長「ご迷惑掛けた」・FC店集め会議(NIKKEI 07/02/12)
何かと要りような進入学期を目前にして、社員の方や関連企業・フランチャイズ店の
方と御家族は、どんなにか不安と怒りを抱えて過ごしている事だろう。
隠しておけばいずれ誰かに迷惑が掛かる事を、勇気を持って言うのは、
企業のコンプライアンスうんぬんの前に、社会人の最低限のルールだと思う。
一握りの人の「なあなあ」な隠蔽グセが、組織全体の命を奪いかねない。
雪印の例はいうに及ばず、次々出てくる一部の自動車メーカーや
ガス機器メーカーの事故かくしは目を覆うばかりだ。
一方、松下が即座に、泣きながらも全身キズだらけで、世間に謝って
歩いたのには、胸を打たれた。ウチの郵便受にもハガキが入ってたし。
ペコちゃんの笑顔を目にするとき、人は幼い頃の
家族のぬくもりの甘い記憶がまだ自分の中に残ってた事を知って、
Saudadeな気持ちに癒やされるんだよ。
答えはもう出ている。後はやるしかないよね。
神楽坂の街角で「ペコちゃん焼き」がまた買える日を夢見て、
もう一度だけ不二家を応援してみようかな。
(*本社と関係ない材料をその場で調理してるので、神楽坂店さんは
何とかペコちゃん焼きだけは存続させようと奮闘しているようだ。
でも、メディアの取材攻勢で近隣に迷惑が掛かりすぎて、大々的に再開、
とは宣伝できないみたい。何とも切ない話だなあ。)