2007年02月24日

「おふくろさん」と危機管理

昨日は母の一周忌だった。世代のバトンタッチは世のさだめとはいえ、やっぱり自分の身内となると、欠落感が懐かしさに変わるには、それなりの時間が掛かりそうだ。

折しも今話題の「おふくろさん」。
歌手・森進一氏が歌の冒頭にオリジナルの「語り」を加えてライブの時に歌っていた事に、作詞家で森氏の師匠の一人、川内康範氏が「無許可の改変」と異議表明。
ついに「自分の作った歌は歌わせない」とまで言う騒ぎになっている。

森進一、押し掛け謝罪も門前払い「謝るところは謝りたかった」(サンケイスポーツ:070224)

川内氏によると、自分の母親に対する感謝の気持を綴った、特に思い入れの深い作品なので、改変は残念だと言うことだ。
 でも、ライブバージョンが出来たのは30年も前だそうだ。何で今頃こんなにこじれちゃったんだろう....

川内康範氏は森氏が新人の修行時代から、作曲家の故・猪俣公章氏らとともに「森進一」というブランドを育てて来た、いわば父親みたいな存在とか。問題の追加部分はセリフが故・保富康午氏、BGMが猪俣氏の手になるもので、もう作り手の側から成立当時の状況を語ってくれる人はいない。
 憶測だけどひとつ言えるのは、新しいバージョンを出すに当たって、森氏あるいは当時の所属事務所(ワタナベプロ)サイドが、単にアレンジを変えるんじゃなくオリジナル部分を加えたいんだ、と言うことを川内氏側にハッキリ伝え、諒解をもらう手続きを踏まなかったんじゃないかということ。
 そうこうする内に、「歌手・森進一」は「スーパースター・森進一」と言うモンスタープロジェクトに大バケしてしまい、超多忙な日常の中で恩師にあらためて正式な挨拶に行く機会を作ることを忘れちゃったのかもしれない。
変えられた側はずっと覚えてるけど波風立てたくなくて、多分ガマンし続けてきたんだろう。
まあ、長年表立って怒りの告発みたいなこともなかったから、森氏側は別に危機意識を持つこともなかったんだろう。
 著作権侵害のカドで出るところに出られたら、あまり旗色は良くないと思う。以前このバージョンを歌番組で聴いた事があるけれど、バース部分とコーラス部分は詞の世界も曲想もぴったりフィットしていて、別の曲をメドレーに繋いだ、って考えることは難しそうだからだ。 

 ありゃ?これって、パロマ・リンナイのガス器具、ソニーのリチウム電池、それに不二家なんかに共通するトラブルの構造が浮かび上がって来るじゃないか。
「ひょっとしたらヤバイかも」「何か気になる」、っていうのをその場で完全に白黒付けるか、「ま、いいか。」ってナアナアにするかで、未来が大きく変わっちゃうって事がある。
後からリカバーするのは本当に大変だ。
危機管理って、人のを見てるといくらでも評論できるけど、自分を振り返ってみると難しいんだよね。

ある日急に旅立ってしまった母。日頃もっと優しくしてあげることなんか、いくらでも出来たはずなんだけれど...
posted by Francisco at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・エンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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