2007年03月03日

ミツバチ行方不明

うわ、なんだこりゃ?
アメリカ中で去年後半からミツバチがこつ然と姿をくらましてるらしい。

全米でミツバチ突然消える 被害20州超える(asahi.com:070301)

全米でミツバチが突然行方不明?農作物の収穫に深刻な影響も(technobahn:070215)

全米でミツバチが行方不明が拡大、影響は24州にも及び作物の収穫が危機的状況に(technobahn:070227)

なんでも、前日まで普段通りに多数のミツバチで賑わってい た巣箱が翌日になると女王バチと取り巻きのミツバチだけを残してカラッポになるって、どうなってんだ。
巣の6〜8割が失踪するケースが大半だけど「全滅」のケースも。
被害地域は東海岸から西海岸へとジワジワ広がって、既に24州を超えてる。
 この異常現象、ミツバチの「いないいない病(disappearing-disappearing illness)」って呼ばれてる。
カエルのことといい、何か薄気味悪い事件だよねえ....

原因は今もナゾで、
 ●ウィルス性の病気の感染でハチが大量死してるんじゃないかとか
 ●ヨーロッパでは既に禁止されてる一部の農薬がミツバチの免疫力をダメにしてるとか
 ●中国/アルゼンチン産の激安蜂蜜に対抗してミツバチにひどい重労働させてるせいだとか
いろいろ言われてて、まだ決め手がないみたいだ。

アメリカでは似た現象が19世紀からあって、1960年代にはテキサス南部で大被害が出たそうだけど、こんなひどい事態は初めてとか。

調べたら国内でも2年前に岩手県の南部でやっぱりミツバチ大量死があって、そのときは農薬が引き金になってるっぽい。

 →カメムシ対策の農薬が原因?岩手でミツバチ大量死(裏日本ニュース様:050820)
 →農薬でハチの大量死? の巻(農薬ネットメールマガジン for 業界人様:050822)

これにさかのぼること更に2年、2003年にフランス南西部でも騒動が起きてた。

 →フランス:殺虫剤フィプロニルで蜜蜂大量死(農業情報研究所様:030609)

このときは国がハチの死骸を詳しく調べて、殺虫剤活性成分の「フィプロニル」が原因だって突き止めてる。それも、土壌処理のための農業用殺虫剤がしみ込んだ土からわずかに立ちのぼった、薬剤の霧(ガス)がミツバチを死に追いやった可能性が高いんだって。
ヒトが自然界に与えた影響って、どうめぐりめぐって害を及ぼすか想像できないね。

●今度のアメリカの件で、一番心配なこと。

ハチは植物の受粉に決定的な影響力を持ってるから、今度の事がミツバチ一種類にとどまらない場合、生態系のバランスがボロボロになりかねない。
 ヒトが飼ってるミツバチのことは農業の売上げに関わるから気にするけど、野生のミツバチや、他のハチは大丈夫なんだろうか?
直接おカネに換算できない野生のハチのことも調べてくれるんだろうか?

アメリカの心ある皆さん、自然はカネじゃ動いてくれないよ。
posted by Francisco at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス・環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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