東京のサクラは開花がちょっと足踏みしているけれど、空気には春の匂いが感じられて気持ちよかった。
途中、敷地が1ヘクタール近くはありそうな、巨大な邸宅がある。
大手アパレルの総帥の家で、城郭と見まがうばかりの壁の周囲を回るだけで4〜5分はかかる。
ネットで覆われた広大なスポーツコートもあり、「華麗なる一族」にでも出て来そうな豪快なたたずまい。
維新の獅子が農園として持ってたものが、いろんな理由で将軍家の末裔の方、アラブの富豪の方などの手を経て、今はその方の土地になってるそうだ。
「ジャパニーズ・ドリーム」ってのはこういう事だ、と無言で語りかけて来る様は迫力満点。
規制や慣習のしがらみを超えて、ここまで登りつめるには想像を絶する苦労があっただろう、と思う....
帰宅後見たTVの経済対談番組「カンブリア宮殿(テレビ東京系でOA)」に、世界有数の技術を持つ光学機器メーカー「三鷹光機」の会長さんが出ていた。
彼の会社が発信する技術で世界の宇宙探査や外科医療の地平がどんどん広がっている。知る人ぞ知る、ウルトラ中小企業だ。
採用に当たっては中卒も東大大学院卒も同列で選考するそうだ。すばらしい。
そして「資本や売上が一定規模に届かない会社は役人から相手にされないから、海外に打って出るしか選択肢がない。これが変わっていかない。」と静かな怒りを吐露していた。
サラリーマンへの国による待遇の締め付けや、堀江さん・村上さんの一連の吊るし上げを見てると、
宋文洲さんと浅野史郎さんが対談してた「均等なチャンスの下での格差と、アンフェアとは違う」っていう意見に共感する。
堀江さんたちは確かにヤバイ事もしたかも知れない。
ルールを犯したのが事実なら、裁かれるのはやむをえない。法治国家なんだから。
でも、このごろの大企業の粉飾事例はケタが違う。そっちの方はは大してお咎めがないのは明らかにアンフェアじゃないかな。
ワナのような規制と慣習の網の目を奇跡的にかいくぐった、一部の人や会社しか日の目を見られないのは変だねえ。
ベンチャー支援とか、勝ち組負け組みのない社会、とかリップサービスは魅力的だけど。
どうしてこんなに既得権益の構造が変っていかないんだろう。
それは、権力側に現状を変える気がないからだろう。
「ジャパニーズ・ドリーム」は入口の所で既にハードルが高い。
優秀な人材の海外流出も止まらない。
これじゃBRICsやアジア各国がどんどん力をつける中で、ますます日本は経済的にも政治的にも自分の意思で身動きできなくなっちゃうんじゃないかな。
新しい国づくりに命を賭けた維新の獅子たちが草葉の陰で泣くと思う。
統一地方選と参院選は、ちゃんと考えて投票をしよう!
などと、日々の暮らしにも事欠く一庶民がぼやいてみる。