法務大臣が、5歳児でも凶悪犯なら少年院送りのケースもありかもって。少しは考えてからしゃべろうよ。
少年院に保育士を張り付かせるのか?
→5歳でも少年院送致? 少年法改正案の法相発言で論議(asahi.com:070329)
衆議院法務委員会で14歳未満の殺人などの凶悪犯罪をうけて、少年院送致の年齢下限を変えるかどうか会議してる中で、昨日(3/28)長勢法相が社民の保坂展人さんに「下限撤廃ってことは、10歳・8歳・5歳でも可能なのか」とツッ込まれて、思わず「ありえねぃとは断言できねぃ」とモラシちゃったそうだ。
ありうりえるわけねーだろっつーの!!
少年院や刑務所は矯正施設でしょ。理屈で善悪の判断ができなきゃ「矯正」しようがないでしょが。
そりゃ、5歳で偏微分方程式バリバリ解いちゃうようなトンデモ・チャイルドもいますよ。でも5歳は5歳。
YES/NOを求める質問には「はい」「いいえ」「保留(理由と回答期限付き)」の3つしかないんだから、省の担当と事前にネタ合せしてない事を訊かれたら、自信がなければ無理に答えなければいいのに、と思う。
もうすぐデビューを控えた新入社員さんだってそのくらい分ると思うんだが。
もっとも、ホンネだったら背筋が凍りつく....
幼くして人を傷つけたり殺しちゃうような子供は、家庭の崩壊や虐待、病的なまでの過保護とか、過酷な状況を背負ってる事も多いと思う。
確かにそういう子供を親元に帰してもスクスクと育つかどうかは怪しい。
それが明らかだと判定できるケースについては、心の傷を治しながら社会に適応できる子供に育てるような、専門の教育機関や、他人の手による支援システムを新設しなきゃムリだろう。
そっちを先に論議しないで、送致の年齢制限撤廃の話だけするってのは、明らかに「人権」の視点が抜け落ちてると思う。
手のかかる人の、社会からの選別と隔離。
日本社会では江戸時代以来長いこと、女性と子供の人格は「半人前」のものとして、成人男性より劣るもの、家族の付属品と位置づけられてきた。
男性が成人女性を「女の子」と呼ぶのはその名残だ。また、「子」という言葉には「奴(やつこ=いえのこ)」に象徴されるように「誰かに仕える被差別階級」という意味も古くからある。
家父長制の中で「家長」に口答えできない構造を作り、家族単位で年貢(税)をまとめて徴収するには、そう教育するのが都合よかったからだろう。
戦後60年たっても、そういう考えが国を治める人たちの中にハッキリ残ってる事が、一連の人権無視発言であぶり出されている気がするなあ。
日本人以外のアジア人を野蛮で劣った人たちだと言わんばかりの、メディアに対する時代錯誤の圧力や情報操作もよく似てる。
富国強兵政策のもとで領土(植民地)拡大に燃えていた時代の精神構造の亡霊が、折にふれて顔をのぞかせてる感じ。ああ恥ずかしい。
文科省にしても、いじめた側の子供を処分できるルールを作るなら、ぜひともアフターケアとセットで取り組んでもらいたいよね。
その子供が取り返しの付かない傷を負って、本格的な犯罪の道に走るんなら、そんな中途半端なルールは要らないもの。
役所単位でバラバラに論議されてて、一人の人間が健やかに人生をスタートさせる仕組みがいまいち見いえて来ない。
子供の人権って、この国ではホントに確立されているのかな。
赤ちゃんはまだ人間にならない不完全な姿で生まれて来るわけじゃない。
オトナと同じ全ての能力を可能性としてゲノムに宿している。ただ経験が足りないだけ。
こんな事すら分らんエライ人が多すぎるから話が進んで行かんのよ。
救いは、法務省の人たちの献身で光の見えて来た、
「離婚から300日たたないで生まれた子供の父親は前夫」って民法規定の見直し。
でもまだまだ問題山積。自分の子供の将来にも大きな不安が付きまとう。
戦争できるように憲法変えられちゃったら、自衛官のなり手が激減して、ついには徴兵制が敷かれる、なんて事態になるのか。
あー、やだやだ。
こんな時だけ男女機会均等とか言って、アメリカに気をつかってイスラエル式に国民皆兵になったりしてね(*)。
少子化はカンタンには止まらないな。ふうー。
*兵役を義務化している国は、ほとんどが韓国・タイみたいに男性だけに課して女性は志願制ですが、イスラエルだけは国民全員が一度は軍隊に行かなければいけません。法律で決まったら最後、徴兵忌避は罪になります。