2007年06月12日

カエルとトリとヒトの仁義

とうとう日本でもツボカビ菌を持った野生のカエルが見つかってしまった。
カエル達のつぶらな瞳を思うと泣きたくなる。
日本の両生類が大量絶滅の秒読みに入ったのだ。

6月10日に開催された「カエルツボカビフォーラム2007」で、予備調査結果が報告された。
昨日6/11、各TVの夜のニュースで知った。何とも危機意識のない無策な行政にムカつく。

昨年末、上陸阻止に失敗。(大して話題にもならず)

今度は封じ込めに失敗。(ってか、経済に影響あり、って言われるまで気にしてなかった)

NHKの大本営WEBなんか、半日でページを削除してる。自民の票田:農家に知られると怒られるからか?

緊急事態だよ。取り上げるの遅すぎ。
いまスグ国を挙げて手を打たないと、食物連鎖のリングが切れて、日本の生態系はボロボロ
カエルの害虫駆除能力にたよっている、有機農業のかなりの部分が存続不能になるかも。
昔みたいに農薬漬けのお米や野菜を食べたいですか?これは誇張じゃない。

カエルツボカビフォーラム2007を開催!(WWFジャパン:070611)
神奈川県で見つかった4匹の感染ウシガエル。
ウシガエル(外来種)は、ツボカビ菌が感染しても発症しないので、キャリアとして周りに菌を撒き散らしてたと思われる。
病原体が屋外環境に出ちゃった以上、もう根絶は難しいだろう。
予備調査で出たって事は、もうスゴイ勢いで広がってるってことだよ。

環境省は、夏から本ちゃんの実態調査とかノンキなことを言っている。
ペットショップの輸入カエルから菌が見つかってから、半年もあったじゃない。
去年の段階で国民に感染防止対策をすぐ告知して、協力を呼びかけなかった責任は重い。
上に立つ人たちは、ことの深刻さが全く分かってない。

+ 発病した、または疑いのあるカエルは絶対に屋外に放さない。獣医と連携を取り、
  最期まで飼い主が看取る。

+ その飼育水をその辺に捨てない。

+ 病死したカエルの死体は焼却するか、ポリ袋(簡単に破れない丈夫なもの)に密閉し
  自治体の生ゴミに出す。絶対その辺に捨てない。
  かわいそうだけど、お墓を作って埋めるのはもってのほか。

+ 野山を歩いた服やトレッキングブーツ等は、必ずよく洗って、靴底は消毒してからから使う。
  (これすごく大切)

+ 輸入種の両生類は、一定の検査期間を置いて防疫上の安全が確認されたものしか飼わない。

+ 熱帯魚や爬虫類のエサ等で、やむを得ずウシガエルの子供とか、
  アフリカツメガエル等を入手する時は、必ずルートと検査の履歴を確かめて買う。


(以前のエントリはこちら→カエル、嫌いですか。

でも前から兆候はあったんだな。気付いてアラームを鳴らす人がいなかったんだろう。

↓トンビが油揚げさらう被害が各地で多発中。この報せにピンと来たので、イヤな予感がした。

 →トビの襲撃、各地で多発 死角から襲い、けが人も(asahi.com:070610)....

タカの一種だから、野生のトンビはすごく警戒心が強くて、自分よりずっと大きなヒトには、普通近寄らない。
特に、ネズミより簡単に捕まえられるカエルの激減が打撃になってるんじゃないのかなあと思ったわけ。

誰かがエサを与えたのに味をしめて、食事中のヒトの弁当を襲う事を学習するみたい。
知能が高いんだね。仲間同士や、親から子へ、技術として伝承してるのかもしれない。

子育て中の時期だったら、愛するヒナの餓死が常に頭をよぎって、無我夢中なんだろね。
エサを奪われ、トンビが急速にカラス化してる。ヒトと生活域が重なってきてる。
怪我した人も気の毒だけど、カエルや鳥だって哀れだ。
自然は全部つながってる。ヒトも自然の一部である以上、自然環境の運命共同体からは逃げられない。


カラスって言えば、もう10年以上前だけど、ある日曜の朝、カラスの声で早く目が覚めた。

るせーなー。休みの日ぐらい寝かせろよ。
窓の隙間からソーッと見ると、電柱の上に、ヒナ鳥に母鳥が寄り添うように2羽並んでとまっている。
ヒナと言っても巣立ちが近いらしく、翼の風切羽も立派に揃い、幼綿羽が頭のてっぺんにチョコッと残るだけだ。

眠い目こすってさらによく見て、驚愕。
親鳥が鳴き方を、手取り足取り、一から教えてるじゃあーりませんか。

A「カー」
B「アッ・・・アッ・・・」
A「カーー」
B「ア・ア?」
A「んっ?カーーー!」

まずお手本の発声をし、子供がまねする。
うまく出来ないと、にらみ付けて、何度でも長さとかイントネーションとかやり直させる。
時々くちばしでオイオイとツッコミ入れたりして。
これって、ヒトと一緒じゃねーかよ!
見る見る上達するヒナ鳥。すごい能力だなあ。
コントでも見てるみたいで、もう笑っちゃった。

職場で話したら誰一人信じてくれなくて、「疲れすぎだよ」「二度寝して夢でも見たんでしょ」って心配される始末。
ホントに見たんだってばー(TT)


2年ほど前、さらにスゴイ現場に遭遇。
公園で地面に落ちてるエサに、一羽のカラスがウッカリ手を出した。

群の中での食事の順番を間違えたのだ。仁義を欠いたカラスには修羅場が待っていた。

合図の声とともに周りの木から一斉に十数羽が下りて来て、リンチ開始。
2羽が翼と首根っこを押さえて、地面にねじ伏せてる間、代わる代わるつついたり、かじったり。
全員がつつき終わるまで制裁は終わらなかった。
ボッコボコにされたカラスは、血をにじませてヨロヨロ飛びながら、群へ帰っていった。
それにしても、カラスの社会こんなに怖いオキテがあったとは。
仲間同士が監視しあって、密告しあう社会。
日本社会もだんだんこっちの方向に向かってるような。。。

ちゃんと「言語」を学んで複雑なコミュニケーションが取れない個体は生き残れないわけだ。
母鳥が「カラスの学校」であんなに一生懸命に鳴き方を教えてた意味が分かって、ちょっと感動。
カラスはイルカや類人猿並みの知能があるんじゃないかな。
リアルワールドで話して、また心配されるとイヤなので、とりあえずブログに書いてみた(^^;

カラスはちゃんと教えるとインコ・オームや九官鳥並みにコトバをまねる。
子供のころ、小学校に半分住み着いて生徒達と遊ぶカラスがいた。
パンの耳ほしさに「オハヨ」「コンニチワ」って挨拶してたっけ。
飼ってるスズメがしゃべった、って言うニュースもあったし、鳥ってアタマいいんだな。
恐竜の中でトリの先祖だけが生き残ったのも、知能のおかげだろう。

ヒトも暮らしていかなきゃいけないんだけど、「害獣・害鳥」って、こっちの都合で殺すのは何だか切ないね。
動物にもココロがあるからね。
環境悪化でヒトと動物のナワバリが重なっちゃうのは、かれらのせいじゃないもんな。

だからせめて、食事の時には「いただきます」をちゃんと言おう。
「この命を、私の命にさせていただきます」って意味だものね。
じいんと沁みる、美しいことば。

この意味を教えずに、早寝早起き挨拶励行・国旗に敬礼・国歌斉唱・宮城に遥拝・・・てな具合に国が押し付けようってんだから。
日本の文化は今のままで充分に美しいんだよ。

お年寄りは宝物。知恵の泉。
下の世代に美しい文化が伝わらないのは、高齢者を大切にしないから。
そんなの、当たり前じゃん。
日本中の老人ホームと幼稚園・保育所をくっつけてごらん。
たくさんの問題が片付いちゃうと思うよ。

年金と健康保険の改悪・崩壊で老人世帯の野垂れ死に。
教科書捏造して、戦中派で苦労した生き証人の証拠インメツ。
んでもって「美しい国」って・・・
やることの順番が完全に逆だ。

たとえば沖縄文化が、過酷な歴史に負けず、日本の中でも奇跡的な香り高さを保ってるのは、オジイ・オバアをリスペクトしてきたからでしょ。
なんで地獄を見てきた辺野古のオジイ・オバアに軍艦出して銃を向けるんだよ。

今度は自衛隊に害獣の駆除を委任する法案が自民から「秋の臨時国会」に出るんだってさ。
自衛官が演習場の外で日常的に実弾発射出来るようにするのが目的なんだな。
 →害獣対策に自衛隊活用 自民チーム、立法化方針(asahi.com:070611)

アマクダラーに一人当たり何億も払えるんだから、いくらでもハンターに頼めるじゃんかよヽ(`Д´)ノ

言いだしっぺは自民党の「有害鳥獣対策議員連盟」と「政務調査会の山村振興委員会」だって。
ナントカ連盟は衛藤征士郎サン・中谷元サンとか防衛庁長官経験者が主要メンバー。

かなりヤバイよ、これ。彼らが山村の住民の利益や、環境保全に興味あるわけない。

憲法改悪と別のルートから、軍事国家への抜け道がいっぱい用意されてる。
いったい「秋の臨時国会」で何をたくらんでるんだろう。

今度の参院選ばかりは、選挙に行かなくっちゃ。
投票率が低いと間違いなく軍事国家になっちゃうよ。

このままじゃトンビが来る前に、カエルと一緒に命さらわれるかもね。
posted by Francisco at 13:10| Comment(4) | TrackBack(9) | サイエンス・環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんんちは、いつも楽しく拝見させて頂いております。
つ、ついにツボカビ菌が!カエル大好きなのに…ショックです…
ニュース聞いた時から「日本の自然に対する危機感弱いからな…やがて広がるんじゃ…」って思っていたけど、やっぱりなんですね…
両生類絶滅なんでしょうか?何か対策はないんでしょうかね?ううう…(T_T)
最近のニュースでカラスの知恵は猿並ってのが証明されたみたいですよ。大脳が発達しているとかなんとか…(うろ覚えですみません;)本当に賢いみたいですね。
Posted by うろこ at 2007年06月12日 17:29
うろこ様
コメント有難うございます。
狂牛肉の全面解禁が急ピッチで進む国ですから、人間以外の動物がいくら死のうが絶滅しようが、エラい方たちは全く関心ないのでしょう。
 天にツバする者に待ってる結果は明らかなんですけどねえ。(そーゆー人を選んでしまう私たちも同罪ですから)

 そうそう、カラスって「トリ界のヒト」って言われるそうですね。道路にモノを置いて車にひかせてみたり、イタズラも人間の子供並みらしいですよ。
 よろしかったらまた遊びにいらしてくださいね(^^)/〜
Posted by Francisco at 2007年06月14日 08:25
こんにちは、またですみませんが、某掲示板(2ちゃんねるや、エロとか変な掲示板ではありません;)にこちらの記事を紹介するのに、アドレスを載せてしまいました。(直リンクではありません)御不快に思われたのなら、削除いたします。先に許可を頂くべきでしたのに、申し訳ありません。
Posted by うろこ at 2007年06月14日 14:50
うろこ様

どんどんやってください!
直リンクもOKですよ。

明らかに被差別側の人を誹謗中傷する事だけで成り立ってるような板でなければ、どこでも大歓迎です(そんなとこでも、紹介されれば一人や二人のお役には立つかも)^^

よく訪ねて下さる方以外にも、少しでも今の世の中のウソと、選挙に行くことの大切さを伝えたいのですが、この所PCに向かう時間を思うように取れませんので。

政治に関係なさそうな所ほど嬉しいです。
管理人自身も、こんなに政治系のネタを書くとは思っても見ませんでした。

御丁寧な御連絡、ありがとうございますm(__)m
Posted by Francisco at 2007年06月14日 22:11
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