業界ではエレベーター屋さんのなかで一番まじめで通ってる、
フジテックの製品で、ガイドレールやカゴ(エレベーターのゴンドラ)
の支持枠の部品に、強度不足が大量に見つかった。
フジテック側が納品のミルシート(鋼材の検査証明書)を見て混入に気付いたとか。
判っただけで全国で560台もあるって。
いや〜ん (;´Д`) マジすか??
→フジテック製エレベーター、560基で強度不足・弱い鋼材納入(日経・BIZ+PLUS:070713)
(本記事末尾に全文転載しときます)
発表した国交省によると、問題の材料は鉄鋼最大手
JFE傘下の「JFE商事建材販売」が、
強度の弱い鋼材を2002年9月から故意に混ぜて納入、書類も偽ってたそうだ。
9月末までに補強工事の予定。頼むぜ、それだけは。
フジテックは「知らなかった」って言ってる。
一方、材料の鋼材を販売したJFE側は、
「フジテック資材部と合意したんだから、知ってて買ってんだよ」....
誰がウソを言ってるのか、もう少し情報が出てくるまでよく分からない。
おカネをいっぱい動かした方が正義になっちゃったりする世の中だし。
東日本の人は、会社名を知らない人もいると思うけど、
この会社はエレベーター界の草分けの一つで、生真面目で技術屋気質。
JFEの言い分がホントだとしたら、フジテックはホントにお金に困ってるのかな。
売上げを伸ばす為に、ついうっかり禁断のハコを開けちゃったんだろうか?
業界を知る身としては、このメーカーが安全と引き換えに、
そういう小銭稼ぎなんかしない、と思いたかった。
(自分は別にフジテックともJFEとも何らシガラミはありません。念のため。)
当然、今度の事件でフジテック株が急落。
→ホットストック:フジテックとJFE商HD売られる、一時ストップ安(ロイター:070713)
筆頭株主の米系投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」(株式15%保有)は今年の春から
「低利益ノ欧米部門ヲ手放シ、MBO(自社買収)スベシ。安イモノデアル。
証取ノ上場ヲ廃止シ、業績ヲ気ニセズ『りすとら』ニ専念スベキコトヲ求ム。」
一方フジテック側も株主総会を挟み、買収防衛策で応戦。
これって、アメリカのストリート・ギャング君がよくやる手口とソックリだな。
銃を突きつけ、ひとの持ち物を取り上げて目の前に持って行き、「How Much?」って。
ダルトン君ってば、フジテックがあくまでも抵抗し続けたら、
株価が持ち直した頃合で、スティールあたりにポンと売っちゃうのかな。
JFEの方も、旧日本鋼管+旧川崎製鉄が再合体して会社を大きくし、
外資に会社を丸ごと持ってかれないように頑張りながら、
ミタル(新日鉄と仏アルセロールを引きずり込んだ)みたいな超大手と戦ってるわけだし。
販売部門の子会社が一時的に株価を下げたって、大勢には響かないだろう。
今年2月には、JFEと提携してる高炉メーカー、ドファスコ(カナダ)が
ミタル傘下のアルセロールにTOB(株式公開買付)され、飲み込まれてる。
もうすぐやってくる一大イベント「秋の三角合併祭り」に備えるために、
鉄屋に近い技術系の会社を食べて、体力づくりするのも悪い話じゃない。
外資の圧力が確実に日本企業の良心を破壊してる。
今年は企業のモラル放棄が公式に解禁された年と言っていい。
後押しするのは自民・公明 + 民主の内の改憲・ネオリベ派。
命おとすな、自民・公明おとせ!!!
それにしても、JFEがフジテックを買いに走ってる、とかじゃないだろうな。
まっさかー (^_^;
誰も信じられないカラダになってる今日この頃。
(以下WEB新聞記事の転載)
『フジテック製エレベーター、560基で強度不足・弱い鋼材納入』
(日経・BIZ+PLUS:070713)
国土交通省は12日、フジテック(滋賀県彦根市)が2002年9月から07年6月にかけて製造したエレベーター560基で、人が乗るかごを支える部分の鋼材の強度が建築基準法で定める基準を下回っていたと発表した。国交省は同社に対し至急補強工事するよう指示、エレベーターメーカー各社にも同様のケースがないか調査を要請した。
同省によると鋼材を納入したJFE商事建材販売(大阪市)が、強度の弱い鋼材を意図的に混ぜて販売、書類も偽っていたという。
同省は「エレベーターが落下するなどの事故に直結することはない」と説明。フジテックは9月末までに補強工事を終える計画という。
エレべーターのかごやレールを建物の構造部に留める部分に、本来の計画よりも低い強度の鋼材が使われていたのは、全国のマンションや商業ビルのほか、JR東日本やJR西日本の駅舎などのエレベーター計1万2727基。エスカレーターでも計634基あった。このうち36都道府県のエレベーター560基の強度が同法の基準以下だった。