2007年08月06日

生き延びた少女は

歴史学に「もしも」はない、と言う。
でも、原爆と終戦の語られるこの時期には、
自分がいま存在することの不思議を感じる。

もし、あの空襲で母が命を落としていれば、
この自分も、そして息子も生まれていない。

1945年7月10日、仙台市は中心部に最後の大空襲を受けた。
深夜突如の空襲警報。焼夷弾の絨毯(総計一万発以上)。
「防空壕に入っても、繁華街に近いここではやられる」
祖父の判断で、北東の郊外にある親類宅へ
着のみ着のまま避難を開始した。
親類宅近くには軍需工場(現・陸自駐屯地)があったのに、
今考えれば、よく焼かれなかったものだ。
まさに紙一重。

パニック状態の街。小学生だった母は家族とはぐれた。
どれくらい歩いたか判らない。
橋も落ち、群集に従って川を歩いて渡る時に
ガラスで切った足から血が滴る。
迫る火の手。
突然、誰かに腕をつかまれた。

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..

それは30代くらいの女性だった
「そっち行ったらダメ!もう火の海よ。」
「おらい(私の家)さ来さい。こっちはまだ大丈夫だから。」
そして、なけなしの食べ物を出して下さり、
もし家族を亡くしてしまったら、訪ねるようにと、
住所まで書いて持たせて下さったそうだ。
火の回らなさそうな迂回路を教えてもらい、何とか
家の近くへ戻ると、かろうじて一角はまだ
焼けていなかった。

見れば、両親が悲痛な表情でが荷物を大八車に載せ、
弟(叔父)を連れて避難する所だった。
散々探したが見つからず、娘は死んだと半ば諦め、
弟だけでも助けて育てようと、とりあえず金目の貴重品を
取りに、イチかバチか親子で家に寄ったという。
娘は、現実の非情さにあきれ、母親の袖口を掴み、
ただ泣きじゃくった。

次の日、市街は仙台駅前から青葉台までが全て見渡せ、
広瀬川はじめ川筋では、大勢の方が息絶えていたそうだ。

実の兄のように可愛がってくれた従兄弟(いとこ)は
南方で散ったが、自分の一家は運良く生き延びた。
そして自分の家庭も作る事ができた。

あの助けて下さった女性にお礼をしたかったけど
メモをなくしてしまい、ついにお礼できなかったと、
母は死ぬまで気に病んでいた。

その方はまだ御存命だろうか。
生きていらっしゃれば100歳近いはずだ。

自分と息子の分もお礼申し上げます。


イラク・パレスチナ・レバノン・アフガニスタン
・ダルフールをはじめ、各地で虐殺と戦乱が続いている。

今この瞬間も子供達が泣きながらさまよっている。

米軍関係者の殉職は、大本営発表より一桁多い3万人以上だ。
厭戦の世論が強まり、帰還兵の有志によるイラク戦争への
糾弾も起こる中、アメリカ下院は、共和・民主両党の賛成で
公権力による令状なしの通信の盗聴を合法化した。
半年限定とは言え、冷戦の赤狩り時代に逆戻りだ。

 恐怖で国民の口を封じて殺戮を続けるために。

 →米議会、令状なしの盗聴を半年間容認・法案を可決
  (日経ネット:070806)


(転載開始)
 【ワシントン=小竹洋之】
 米下院は4日の本会議で、裁判所の令状がなくても
 米政府の国内盗聴活動を暫定的に認める法案を可決した。
 テロ対策の一環として令状なしの盗聴を6カ月間だけ容認し、
 その間に抜本的な改革法案を検討することを盛り込んだ。
 上院は3日に可決済みで、ブッシュ大統領の署名を経て正式に成立する。

  ブッシュ大統領は米同時テロ後の2002年、
 令状なしの盗聴を極秘に命令し、国家安全保障局(NSA)が
 米国外との国際電話や電子メール通信を傍受してきた。
 ただ、事実関係が明らかになって厳しい批判を浴び、
 今年1月からは特別裁判所の令状を取得する方法に切り替えていた。
(転載終り)

情けない。

これがコイズミ・アベ自民と、前原一族のあこがれる、
形ばかりの二党制の行き着く先の姿。

米共和・民主両党は、政権が交代しても
根っこの所では財界言いなりのコウモリ政府。
新自由主義(ネオリベ)・戦争経済を旗印にしてる以上、
破壊に依存したグローバリゼーションの暴走を
自力で止められるわけがないじゃん。

ソ連がロシアになった今、サル芝居は中国と続けるまでだ。
石油の採掘権やバイオ燃料の農地をめぐって、中国とのさや当て。
ケンカの資金は、「テロ」征伐の戦争をしかけて稼ぐ。

代理戦争の将棋のコマは、いずれは日本の自衛隊で。

洞爺湖サミットでアメリカ政府がぶち上げようとしてる
次の「いけにえ」は、ダルフール(スーダン西部)か?
ダルフールまで「タリバン」や「アル・カイダ」に
支配されてる、って言い出すんじゃないだろうね?

協議の場を設けずにイスラム系政府軍と民兵を虐殺すれば
何倍ものキリスト教系住民がお礼参りに遭う。
アベっちはその手伝いを自衛隊にさせたくてプルプルしてる。

 困った時のタリバン by ブッシュたん

 ↑ まねてみる

 困った時の北朝鮮、この頃は中国 by アベっち

そんなの見習わなくていいから。

パレスチナみたいな権益の代表が見つからないうちは
国連がいくら言ってもアメリカは虐殺を見殺しにしたくせに。
中国がスーダンの石油に手を出したとたん「正義」かよ。

参院での自民惨敗で秋の臨時国会の「共謀罪」強行突破が
少しだけ先に伸びた。
まだまだ油断できないけど。

日本でもうごめく、恐怖で国民の口を封じる計画

日本の民主党からネオリベ・核武装派を追い出せないのかな。
前原一家は、森・コイズミグループの所にでも行って、
総選挙でフェードアウトしてくれないかしら。

IAEA(国際原子力機関)も今日8/6、日本入りした。
調査団が、斑目春樹教授の口車に乗らないで、
柏崎刈羽原発のインペイ補修をどこまで見破れるか。

この3週間のインペイ工事で、どれだけ大勢の日雇い労働者が
ダマされて殺人的な線量を浴びながら働かされことだろう。

それを考えるといたたまれない。
また多くの命がガンで失われるのは間違いないから。

放射性物質も建屋からダダ漏れのままだろう。
溜まるぐらい雨が漏るんだから、屋根はかなり割れてるはずだ。
一度こうなった建物は、屋根の防水層を完全に撤去して
シラミつぶしに見ないと亀裂は発見できない。


アベっちもヤケクソで「原爆症認定基準の見直しを検討」とか
思いつきでポンポンと被爆者をなめたデマカセ言ってないで
とにかくサッサと衆院解散して下さい。

今まで出来なかったのに、同じあなたが明日から急に
役所や裁判所を正反対の方向に引っ張れるわけないでしょ。
ジャマする人さえいなくなれば、能力とやる気のある人が一杯いるから。

もう戦争や核の恐怖におびえるのだけはごめんだ。

 (以下、「070622:国防少年少女量産計画」から再録)

 美しいアジアに生まれたこと、
 アジアの中の日本に生まれたことを誇りに思う。
 この国と、自然と、人が好き。

 日本国憲法は、世界遺産と言ってもいいと思う。
 戦争しないって、そんなにヘンなことですか?
posted by Francisco at 23:14| Comment(3) | TrackBack(6) | 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今気付いたんだけど、
原発の建屋の中のクレーンて、
わざと壊したんじゃないだろうな。。。

遠隔操作ができなければ、IAEAの人たちは
日雇い労働者の人たちのような死の危険を冒してまで
危険な原子炉本体の直近までは入って行かないだろうって。

そうだとしたら、斑目教授たちのインチキ証言が
結構通っちゃう可能性だってある。

できれば信じたくない。
だけどいやな予感がする。。。
Posted by Francisco at 2007年08月06日 23:37
こんんちは、小さい頃、過去の戦争の話を聞いて、今行われている戦争が終われば、この世から戦争は無くなるものだと思っていました。「だって戦争はしちゃいけないものだって皆分かっているんだから」
それなのに…戦争はさらに、拡大し、膨張し、悲惨さを増していくばかりです…
どうしてなくならないんでしょうね…悲しいです。
Posted by うろこ at 2007年08月07日 14:23
うろこ様
いつもありがとうございます!

戦争容認派ばかりが為政者として選ばれる政治には、
民主主義が定着していないんだと思います。

戦争を抑止しようという気運が国民の中に充溢するためには、
国が人を尊び、情報の流通を規制しないこと、そして
他国を客観的にとらえる人を育てる、偏らない教育が不可欠です。

長い間植民地として搾取され、人材もインフラも根こそぎ
持って行かれてしまったアフリカや一部のアラブの国を見れば、
明らかです。
民主主義はなく、情報は偏り、統制されています。

自民党は都合が悪くなると北朝鮮を持ち出しますが、
朝鮮半島の分断も、元はといえば日本による支配が招いたものです。

大国が札束で貧乏国の横っ面をたたき、カイライ政権という名の
現代の植民地統括府を使って、またそこの庶民を
「テロリスト」と呼び、絞り上げる。
怒り狂ったレジスタンスの特攻自爆攻撃がなくなるわけありません。
どうして今の世の中に、死を強制された若者の悲惨な特攻が
再び存在しているのかを考える事が先です。

これを正義だと信じ込ませようとしているのが今の日米ネオリベ政権です。
もうそんなウソに付き合うのはたくさんだと思っている国が
世界の主流になってきました。
環境もボロボロで、いがみ合ってる時間的余裕さえ実はありません。

アメリカ政府は自国の世論さえ押さえきれなくなり、今度は
日本軍が血を流さないと、大変な目に遭わせるぞと脅して来ています。

北欧のような見通しのいい社会では、富が一箇所に集中すれば
すぐにバレて糾弾されます。
「自分の国の方向は自分で決める」というように国民の政治意識が高ければ、
抜け駆けして庶民を犠牲にしようとするような人や、
子孫の世代の生活を想像できないような人は再選されにくいのです。

固定した一つか二つの政党がずっとお山の大将でいれば必ず腐ります。
選挙のたびに国民が、政党の名前だけでなく、政策で人を選べば、
毎回新陳代謝が進み、要望がその分だけ国勢に反映されるわけです。

いまの日本はこのどれをとっても、すごい勢いで退行しています。
自民の惨敗を喜んでいるヒマはありません。
選挙区を小割りにして、政党で全てが回るようにする欠陥にしても、
現状維持が理想だと洗脳され、声をあげなかった国民の招いた結果ともいえます。

戦争はいけないものだという、分かり切った事を伝えるのも
だんだんエネルギーを使う世の中になっていますよね。
気付いた人がうるさくギャーギャー言い続けなければ
結局「見なかったこと」になってしまうのがこの国です。

みんなで騒ぎ続けましょう。
光が見えるまで。
Posted by Francisco at 2007年08月07日 17:18
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