2007年11月12日

100ドルPCが創る未来

olpcxo.jpg


メディア・ラボ(MIT:マサチューセッツ工科大)のネグロポンテ教授が
NPOを立ち上げて開発してきた100ドルPC『XO laptop』が、
ついにアメリカで一般販売開始。生産は台湾のメーカーQuanta社。
(NPO名称:OLPC/ One Laptop per Child Foundation)

2台買うと1台が寄付される特別購入パッケージでの販売。
400ドルで2台買い、そのうち1台を寄付するしくみ(寄付分は税控除)。

格差をなくすにはまず教育から。これ、国づくりの王道。

お金・食料・医療、そして教育に飢え、渇いている子供たちが今もいる。

子供1人につき1台の低コストノートPCを学校が提供出来るようにするプロジェクト。
(貧しい子供が買うのではなく、変える立場人が買って、貧しい教育現場に提供。)

普通の授業を出来る先生方すら奪われた地域の現場をサポートする。
いまや教科書が出来ることはPCで可能だから。

価格はさすがに100ドルには納まらなくて、200ドル弱になったけど、
苦しい国の教育現場への新品PC普及に弾みがつくだろう。
もちろん各国・地域の言語に対応した環境ごと販売する。

システムは充分実用的。

 ハード:
 AMD Geode LX700 433MHzプロセッサ、メモリ128MB。
 ハードディスクは壊れるので1GBのフラッシュメモリでデータ保存。
 7.5インチ デュアル・モード薄膜トランジスター (TFT)ディスプレイ、
 802.11b/g 対応無線 LAN 、
 ビデオ・カメラ解像度 640x480、
 アナログステレオサウンド・チップ搭載。

 ソフト:
 OSはLinux 2.6 カーネル+GNU ソフト。
 SugarというGUIがシンプルでカワイイ。
 カンタンなワープロやイラスト描きのソフト位はすでに入っている。

これから世界のボランティアが作る様々なソフトが出てくるだろう。

電気が来なくたって、外付けの発電機(ヒモを引くタイプ)から人力で充電できる。
太陽電池パネルや自動車バッテリー等の電源も使用可。
インド・ムンバイ近郊の農村地帯ではウシに発電機を回させる実験中とか。

名作まちづくりゲーム「シム・シティー(SimCity)」もMaxis社が
100ドルPCへの無償バンドル許可。社会科の勉強にうってつけ。

米T-Mobileは、米国で2台購入に参加した人に、全国約8500カ所の
無線LANアクセスポイントを1年間無料開放。
大企業によるこういう支援キャンペーンはバンバンやって欲しい。

寄付先の先生や教育行政の誰かがインターネットに触れられる環境にあれば、
かなりの用途のソフトは、タダでオープンソースものがカバーしてくれる。
この可愛らしいCPUとメモリで動くものを選んで入れればいい。
子供の普段の勉強なら高い有料ソフトを買わなくても済んでしまう。
Linux環境で腕を磨いた子供が先導してLANを組んだりするかもしれない。
(071113追記:このマシンは自動で互いのLANモジュールや、セットで提供される
アクセスポイントを検知し、勝手にプロファイルを作ってメッシュネットワークを
構築するとか。お見事。)

絵に描いたモチだと批判するのは簡単。でもこのプロジェクトを実現までこぎつけた
スタッフの皆さんの意志の力に、勇気を感じる。
世の中、まだまだ捨てたもんじゃない。

そういやビル・ゲイツたん、去年(2006)春、100ドルPCのSPEC概要が固まった頃、
「ハードディスクはないわ、画面はちいさいわ、ブロードバンド接続もできない、
ユーザーサポートの要員も投入しない...」と小馬鹿にしてたな。
それが享受できない人のためにこのプロジェクトがあるんだけど。
ご自慢の「Origami」よりはいいような。
せっかく多額の寄付で社会貢献してるのに、自分の名誉にドロ塗ってどーする。。。
IntelのCPUを採用しなかったのもカチンと来てるんだろう。
まあ、将来の市場である途上国の子供たちが、ホンキでLinuxなんぞ
勉強始めた日にゃ目も当てられないので、それを牽制したいってのが
ホンネなんだろうけどね。

実は裏でそのスジのロビーが動いてたりして。

金融資本や軍事産業、石油・穀物なんぞで甘い汁を吸う人にとって、
教育の格差が減って、貧しい地域の人々が「目覚めて」いくのは
耐え難いくらい腹が立つことだろうしね。
「ゴルァ!ゲイツ。100ドルPCやめさせろや!」なんてね。

参考リンク

 OLPC volunteer team, Japanのサイト
 →OLPC volunteer team, Japan
  世界中の子供たちに学習の機会を


 ニュース速報
 →OLPC XO、「1台寄付して1台ゲット」プログラム開始
  (engadget japanese[beta]様:071112)


 業界事情
 →「100ドルノートPC」が200ドルに
  100ドルノートPCが「1台200ドル」のマイルストーンに達した。
  ただし1万台単位での注文になる。(ロイター)
  (ITmediaNews:071030)
posted by Francisco at 21:41| Comment(2) | TrackBack(2) | Mac・IT | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして
2台で400ドルだったら「200ドルPC」と呼ぶべき
だと思います。「100ドルPC」じゃないんですから。
Posted by Ken1 at 2007年11月13日 01:55
Ken1様

ご指摘ありがとうございます。
おっしゃる通り、現実は200ドルPCになっちゃいましたね。
(つながりを考慮して「100ドルPC」のままにしといたんですが)

ところで、ここには重要な事が現れています。
低SPECで、オープンソースのソフトをインストールした
身の回りの用だけこなすPCなら、費用でいえば
メーカーとして2万もあれば作れるという事実です。
(寄付なしで商売になるかは別として)

OLPCがいいテストケースになって、後に続くプロジェクトに
途を付けてくれるよう願ってやみません。貧困・格差に
対抗するには、教育の機会を均等化する事がもっとも有効です。

おそらくどの業界でもTOPに君臨する「勝ち組」は
地球上の弱者の犠牲の上に成り立っているわけで、
それは我々が、戦火や飢えで倒れる子供たちの分を
奪って、世界中から集めた食べ物で腹を満たす
行為と、程度の差はあれ同一線上にあるともいえます。

ゲイツさんは完全引退(するのかしら)の後は、
6兆円超の個人資産で慈善事業するとおっしゃってますが、
この資産自体、莫大な利ザヤを末端の社員給与や製品価格に
還元しないまま金持ち優遇税制でポッケに貯めたカネですから。

一度はMS社としてOLPCに賛同したはずのゲイツさんが
Windows/Intelベース以外のコンピュータが拡散することに
強い警戒を見せているのは、どっかの国のODAを思わせます。
自国・自社・自分への見返りだけを考えての支援行為は、
本当の意味での弱者への貢献ではないでしょう。
生き方の手本を示すべき、社会的地位を持つ人のモラルを考える上で、
ゲイツさんのこれからの数年は注目に値すると思います。
Posted by Francisco at 2007年11月15日 15:52
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