これは、住宅地と商業、工場地域を混ざり過ぎないようにルール化する事で、
日照権、空気・水の汚染、騒音・振動などの環境トラブルを減らし、
逆に商業や工業が、必要以上の制約を受けないようにする為だ。
建築基準法に基づいて、自治体が地元の実情に応じた線引きをし、
一定の効果を上げてきた。
こんど急浮上してきた新しいルールのアイディアは、
『低炭素地域』
。。。なんじゃこりゃ(-_-;)
都市計画家の重鎮中の重鎮、伊藤滋さんが温室効果ガス削減への提案として、
「低炭素地域」っていう地域を役所が指定し、地域ごとに厳しさを段階付けるべき、
って東京都内で講演したそうだ。
(大和ハウス工業大ホールで1/24にあった「都市・環境フォーラム」で。)
→都市計画で「低炭素地域」指定を/伊藤滋早大特命教授、
温室効果ガス削減へ提案(建設工業新聞:080128)
容積率(敷地に対して建てられる床面積の限度)の高さ順に第1種から第5種までの
『低炭素地域』を自治体が指定する。
戸建住宅は禁止して、商業ゾーン(1・2種)ならエネルギー制御設備の
置き場を地下室を掘らせて確保する(建築工事)とか、
1〜3種の地域には、10ヘクタールに1ケ所のエネルギーセンターを作る(プラント工事)とか、
住宅地の既存家屋はバツとして窓や外壁を二重化する(リフォーム工事)義務を負わせるとか、
新しい温暖化ビジネスの香りが馥郁(フクイク)と漂っております。
固定資産税に「カーボン・オフセット費用」という環境税を上乗せすることも提案。
当然、大地主から順にたくさん取るんですよね?!
一律に負わされたらネコの額のビンボー所帯はたまらない。
大きな再開発事業には、『市街地・エネルギー統合地区』ってのを設定して、
ナンと揮発油税(デターーー)から区画整理と再開発に補助金を出すんだとか。
パイプライン作るのに揮発油税を使うのかよ。
ガソリン使った分だけ、地球にやさしい街づくりが出来ますと。
次から次へと、ホントよく思いつくもんだ。
「街づくり」を減らした方が、よっぽどCO2排出が減ると思うけどな。
ここまで来ると環境対策のためなのか、カネ集めのためなのか、ビミョー(-_-;)
伊藤さんといえば、国の都市計画行政に絶大な影響力を持ってるから、
リアルな話として、そのうち国民生活に負担が来るだろう。
業界紙以外ではまず報道されないよな、このテの話って。。。
環境省も研究費を付けて、国交省と相乗りで
「低炭素地域づくり面的対策事業」ってのを推進するらしい。
地域づくりの計画に低炭素の概念をプラスし、緑化や風の道、
公共交通の乗り継ぎのシームレス化による利用促進、
なんぞの対費用効果をシミュレーションするみたい。
研究のやり方は、低炭素の地域づくりを行う地域を公募し、
地方公共団体・地域住民・NPO・事業者等が参加する
『地球温暖化対策地域協議会』ってのを作り、CO2削減目標や計画決め、
その為の調査・シミュレーションをするんだそうだ。
→http://www.env.go.jp/guide/budget/h20/h20-gaiyo-2/027.pdf
→http://www.env.go.jp/guide/budget/h20/h20-gaiyo/032.pdf
アメリカ等と違って、日本ではNPO法人は官庁が認可を下ろさないと
設立できないから、官サイドが運営方針、天下り先の確保、
カネの出入りのさせ方にカンタンに口をはさめる構造になってる。
なんか、伊藤さんの提言も、結局これと地続きの概念
だったりして、などと妄想してみる...
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→都市計画で「低炭素地域」指定を/伊藤滋早大特命教授、
温室効果ガス削減へ提案(建設工業新聞:080128)
<引用開始>
都市計画が専門の伊藤滋早大特命教授が、24日に都内で行った講演で、都市計画の手法を使う新たな温室効果ガス削減策を提案した。都市計画で「低炭素地域」と呼ぶ地域を指定。同地域に建築物を整備する際は、敷地内にエネルギー制御用の地下室やエネルギー管の敷設スペースの確保を義務付け、エネルギーを有効活用するため敷地規模の最小限度や一戸建て住宅の建設禁止といった規制を設けるという案だ。併せてネットワークでエネルギーを有効利用する必要性も強調し、地域のエネルギーセンターとエネルギー供給管を公共事業で整備する低炭素化都市プロジェクトも提案した。
伊藤氏は日建設計総合研究所が事務局を務める「第1回NSRI都市・環境フォーラム」で「低炭素化と都市計画」をテーマに講演した。この中で伊藤氏は、「温室効果ガスを削減するには個々の要素技術を活用するだけでは不十分」と指摘。小規模なエネルギー系統網(マイクログリッド)をネットワーク化することで、都市のエネルギー利用が効率化し、温室効果ガス削減が可能になるとの見解を示した。
実現に向けた具体策として示した「低炭素地域制」の提案によると、低炭素地域に指定されると、建築物を整備する際は、蓄電池や蓄熱槽用の地下室を設置しなければならない。約10ヘクタールごとに設置するエネルギーセンターから熱源を引き込む施設で、敷地内にエネルギー管の敷設スペースを確保するため、新たな建築線規制も設定。集合住宅より外壁面が多く熱効率が悪い一戸建て住宅の建築も規制し、小規模建築物が林立するとエネルギーが無駄になるため最小敷地限度も設定する。
水や電気を昼間に大量消費する病院や学校と、夜間に大量消費する住宅などを地域内に混在させるとエネルギー利用が平準化されて効率が良くなるため、地区計画で建物用途を混在化させる「市街地・エネルギー統合地区」の新設も提案した。伊藤氏は、再開発を行う際には、エネルギーセンターと道路を横断するエネルギー供給管は都市施設に認定して公共が整備し、センター内の機器設置とエネルギー管利用を民間が行う「上下分離方式」を採用し、公共の財源に揮発油税を充てることを提案した。
<引用おわり>