2008年02月21日

生きていて!吉清さん親子の救出を祈る。

2/19早朝のイージス艦「あたご」との衝突で行方不明になった漁師、
吉清治夫さん・哲大(てつひろ)さん親子の、息子さん、
哲大さんは、4年ほど前から年に3〜4回、ホームレス支援のために、
千葉勝浦から東京上野まで自分でトラックを駆り、
毎回トロ箱30箱以上のサバやイワシをボランティアで届けていたそうだ。

「お金や米でなくて申し訳ないが、この魚を役立ててほしい」と。

苦しい暮らしを強いられているホームレスの方たちや、
ボランティアの方たちからは「哲」「魚のあんちゃん」と慕われていた。
そして、「もっと大きな船を買うのが夢だ」と話していたという。

昨日の朝これを取り上げてた東京新聞・中日新聞のWEB記事が、夜には早くも消えていた。
サーバにキャッシュも残らないうちにソッコー消すのが最近の流行らしい。
(下の方で書いてるけど、読売の記事は生きている。東京新聞は、漁師さんが
自衛隊自体を名指しで批判したくだりを、文頭の方に載せていた。)

阿修羅にサルベージュされた東京新聞のTEXTがあったので長いけど貼っておく。
http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/470.html

元記事(削除済み)→監視ずさん回避後手 イージス艦衝突 『真実を話して』 捜索の僚船仲間ら憤り(東京新聞:080220)

(引用開始)
 「自衛隊はたるんでいる」。十九日未明、千葉県南房総市の沖合で起きたイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故。帰港した僚船の仲間は、事故を回避できなかった海上自衛隊に憤りを隠さなかった。新型エンジンを買ったばかりの船長、吉清(きちせい)治夫さん(58)と、東京・上野のホームレスの人たちに魚を届け続けていた息子の哲大(てつひろ)さん(23)。冬の海に投げ出された「海の男」二人の帰還を、地元・千葉県勝浦市で、東京で、多くの人々が祈った。 

 「清徳丸が真っ二つになったのを見た。イージス艦を避けようとして真横からぶつけられたと思う」。衝突現場近くで操船していた金平丸の乗組員市原仁さん(38)は、捜索活動を終えて戻った十九日夕、千葉県勝浦市の新勝浦市漁協川津支所でこう話した。

 衝突の瞬間は休憩中で見ていなかったが、事故の数時間前に、明かりをつけて川津港を出港する清徳丸を見送ったばかり。間もない悲劇にショックを受けたという。

 現場海域から戻った僚船の乗組員らは、同日夕に記者会見。口々に海上自衛隊側を批判した。

 康栄丸の中ノ谷義敬船長は「護衛艦から見えなかったと話していると聞いたが、うそだ。本当のことを言ってほしい」と怒りをあらわにした。

 同僚らは午前二時に出港して以降、ずっと海に出ていたため、疲労困憊(こんぱい)の様子。同漁協の外記(げき)栄太郎組合長は「小さな船を事故に遭わせ、二人の命を危険にさらしたことに文句をいいたい。自衛隊はたるんでいる」と、強い口調で話した。

 外記組合長は同日夜、行方不明になっている吉清治夫さん、哲大さんの家族に面会し、捜索の状況を報告した。

 外記組合長によると、「捜索したが見つからなかった。あす再開する」と報告すると、治夫さんの母や妻らは悲しそうな表情になった。母は「孫(哲大さん)がかわいそうだ。かわいそうだ」と繰り返し話し、憔悴(しょうすい)しきった様子だったという。

 川津地区は四百軒余りの小さな集落。地元の女性らは同日、約五十人が港に集まり、うちわ太鼓をたたいたり、お経を上げたりして、二人の帰還を祈った。

 治夫さんの友人らによると、治夫さんは以前はアワビ漁をしていたが、五十歳ごろに脳梗塞(こうそく)を患って以降、はえ縄漁に切り替えた。しっかりとした考えで漁業に取り組み、後継ぎの哲大さんを鍛えていたという。

 治夫さんの小学生からの同級生で、漁船などを扱う鉄工会社を営む渡辺滋さん(58)によると、治夫さんは昨年、一千五百万円もする新型エンジンを買ったばかりだった。


■上野のホームレス支援■

『お金じゃなく申し訳ない…魚どうぞ』


 「魚のあんちゃん、無事でいてくれ」−。「清徳丸」に乗っていた吉清哲大さんは、東京・上野公園のホームレスを支援するため、ここ四年ほど一年に三−四回、自分で取った魚を届けていた。「哲」「魚のあんちゃん」と慕うホームレスやボランティアたちはひたすら安否を気遣う。

 「お金や米でなくて申し訳ないが、この魚を役立ててほしい」

 ボランティアでホームレスを支援する東京都荒川区の「赤銀杏(ぎんなん)会」の石崎克雄会長(60)のもとに、哲大さんがそう言って現れたのは四年ほど前。以来しばしば、サバやイワシなどを詰めた発泡スチロールの箱をトラックで届けるようになった。一回に約三十箱に上った。調理師の免許を持つ石崎さんは連日、料理や弁当をつくり上野公園のホームレスに配っているが、「フライや煮魚にしたり。ありがたい限り」と話す。

 石崎さんは「哲は優しくてきっぷのいい若者。自分の家族みたいに接していた」と哲大さんの人柄を語る。料理の配達役も引き受けてくれ、「酒の席で『早く嫁さんもらえ』と言うと、いつも苦笑いを浮かべる」。

 笑顔を絶やさないが、仕事の話題になると表情がきりっと締まり、「おやじ(治夫さん)の後を継ぐけれど、もっと大きな船を買って仲間と一緒に漁に出たい」と夢を口にしたという。

 行方不明のニュースを見て、赤銀杏会の事務所にはホームレスの人たちから心配する電話が寄せられている。「ショックといら立ちで足が震えてくる。何とか無事でいてほしい」。石崎さんは、祈るような気持ちで救出を待っている。(藤浪繁雄)

(引用おわり)

読売の取材に応えて、僚船の乗組員の方が怒りのコメントをしている。
(この記事の最後に引用を貼りました)

「漁船見えないわけがない」僚船乗組員ら怒りの証言(YOMIURI ONLINE:080219)

吉清さんの活躍を取り上げた記事も、読売では2/21朝の時点で残っている。
(→不明の哲大さん、路上生活者支援の心優しい青年(YOMIURI ONLINE:080220)

それにしても、体温を奪う冷たい海で、まだ安否さえ不明なお二方を想うとやりきれない。
どうか、生きていて欲しい。

政府は、防衛省と海上保安庁をサポートして、引き続き救助に総力を挙げると同時に、
防衛省に正直な情況・原因を開示させて欲しい。

運悪くワッチ(当直)の交代時刻と重なり、迅速な措置が遅れた可能性はあるようだけど、
漁船発見は衝突「2分前」との防衛省の発表が捜査の進展で「12分前」に変わったあたり、
衝突直前まで自動操舵のままだった可能性をギリギリまで隠したかった意図が見え隠れする。
石破大臣の状況報告では「漁船の緑色の灯火」と言っていたが、TVニュースで僚船の漁師さんは
「赤ランプを点けていた」と喰い違い、実は誰も見てなかったんじゃないのかと気になる。
さらに、漁船の引上げに立ち会った親族に、幕僚長が「報道陣の取材には応じないように」
クギを刺していたそうだ。

政府・監督当局の態度が柏崎刈羽原発の事故のときとソックリで、悲しくなって来る。
目の前にいる国民の命が懸かっている時に、イジイジした保身の態度はもう見たくない。
防衛大臣には今度こそ「国民の命を守る」組織の長としてのケジメを見せてもらいたい。

迎撃ミサイルシステムの評判ウンヌンとか、アメリカ様が怒るから、とか言うのは、
それがキチンと出来てからだと思う。

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「漁船見えないわけがない」僚船乗組員ら怒りの証言(YOMIURI ONLINE:080219)

(引用開始)
「清徳丸」の船尾付近では海上保安庁による捜索が続く(19日) 国防を支える最新鋭艦が、なぜすぐ近くの漁船を見落としたのか。千葉県の房総半島沖で19日早朝に起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故。

 防衛省が「調査中」を繰り返す中、清徳丸の僚船の乗組員たちは「イージス艦がまっすぐ走ってきた」「相手から見えないわけがない」などと怒りに震えながら、事故前後の様子を証言した。

 清徳丸の親子2人の行方は依然不明で、地元の千葉県勝浦市では、家族や仲間が生還を祈って、真冬の海に必死に手を合わせていた。

 「こっちの船がよけるんじゃないかと思っていたのか、ほとんどまっすぐ走ってきた」

 清徳丸が所属する新勝浦市漁協では、事故当時、現場海域にいた僚船のうち「金平丸(きんぺいまる)」の船長、市原義次さん(55)らが19日夕、記者会見に臨み、イージス艦の回避行動の遅れを厳しい口調で非難した。

 市原さんらによると、金平丸がイージス艦「あたご」とすれ違ったのは、同日午前4時すぎ。市原さんはコースが重なっていることに危険を感じ、回避しようとして金平丸のかじを右に切った。

 僚船の清徳丸はその直後に衝突したとみられる。市原さんは、あたごが照明をつけて停船したのも目にしたが、「自分の船を見て止まったのか」と思って、衝突が起きていたことに気づかなかったという。そのまま三宅島方面に向かって操業していたが、午前6時ごろ、無線連絡で初めて事故を知った。

 清徳丸に無線で呼びかけたが応答がなかったため、知らされた位置を確認したところ、ほぼ同艦を回避した位置だったという。

 同席した同漁協の組合長、外記(げき)栄太郎さん(80)も、「漁村始まって以来の大事件。乗組員の安否を心配している」「ミサイルを撃ち落とす近代的で優秀な船が、こんな小さい船を壊して、自衛隊はたるんでいる」と怒りをあらわにした。

 同じく僚船の「康栄丸」の船長、中ノ谷義敬さん(61)は「レーダーでは半径約3・6キロ以内に、5隻ぐらい漁船が映っていた。イージス艦に(清徳丸が)見えていないわけがない」と話した。

 防衛省では、午後11時から、この日5回目の記者会見が開かれ、海上自衛隊の河野克俊・海幕防衛部長が「海保が調査に入っており、現時点では確定的なことは申し上げられない」と前置きをしたうえで、ようやく事故の概要を説明し始めた。

 あたごが衝突の直前、急制動をかけて回避行動をとったことを明らかにしたが、報道陣から、清徳丸の存在を見落とした可能性について指摘されると、「調査中」「報告が上がっていない」と疲れ切った表情で繰り返すだけだった。

(2008年2月20日03時27分 読売新聞)

(引用おわり)

それにしても、舞鶴配属だったから京都の地名をとって「あたご」と名づけたとは言え、
「基地周辺の騒音からの引越し先」と偽って地権者から土地が
吸い上げられたあげく、
岩国の愛宕山がいつの間にか米軍住宅用地にすり替わっていた現実との
偶然の名前の一致は、あまりにも皮肉だ。
posted by Francisco at 05:22| Comment(2) | TrackBack(6) | 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 よそのブログでも書き込みしたコメントなので恐縮ですが…

 海上自衛隊っていったい何のためにあるんでしょうかね?民間の船と衝突事故起こしてばっかり(呆)。それと防衛省って何のために防衛庁から昇格したんでしょうかね?

 右翼勢力とかは、「中国の脅威が…」とか「北朝鮮の脅威が…」とかいいながら軍拡を正当化するけど、民間の船と衝突事故を起こす海上自衛隊の戦艦の方が一般国民にとってよっぽど脅威だと思いますよ(あざ笑い)。それに、わが国日本が軍拡をしたからといって中国や北朝鮮が軍縮に転じるとでも考えてるんでしょうかね(あざ笑い)。外国からの脅威に気を取られてばかりいると、そのうち「巨大地震」という名の「地面からの脅威」に足元をすくわれるだけですよ。

〜たしかな野党 支え続けて 上げ潮めざす!〜
Posted by 嶋ともうみ at 2008年02月24日 10:06
嶋ともうみ様
コメントありがとうございます。
自衛隊は、現実に持ってしまった軍隊ですから、
今すぐ大幅に縮小するのは難しいかもしれません。
問題は、エライ人たちが、アメリカの友軍として自衛隊を派兵する既成事実づくり
にだけこだわり、シビリアンコントロールの仕組みもないまま、
誰の指揮下にも置かないで闇雲に紛争地に放り込むという、
自国の兵士、他国の市民の命、そして憲法の精神を踏みにじる、
この幼稚極まりないふざけた無責任な態度です。
カネと兵隊を貢がせることしか興味のないアメリカ様は絶対なんですかね。
沖縄で少女を基地外で強姦した容疑に問われている米兵は
日本司法当局の管理下にありながら不起訴になりました。
せいぜい営倉入りになった後、無罪放免になる可能性が強そうです。
続発する事故は、この日本政府の人権意識、現実感覚のなさが
現場の士気にもしぜんと現れたものと感じています。

ところで、自分も震災対策がイマイチできてません。
確かに、差し迫った恐怖はこっちも非常に深刻です。
Posted by Francisco at 2008年03月03日 00:54
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イージス艦衝突  国民の命を奪う国防って?
Excerpt: ■昨日19日午前4時頃、ハワイでの訓練を終え横須賀基地に向かっていたイージス艦「あたご」(7700トン)と千葉県新勝浦市漁協所属のマグロはえ縄漁船「清徳丸(せいとくまる)」(7.3トン)が衝突した..
Weblog: 人類猫化計画
Tracked: 2008-02-21 09:54

初期報道のキャッシュまで消すことはないと思いますよ。イージス艦事故関連、漁民の声や哲大さんがホームレス支援してた話しとか。
Excerpt:  政治的な判断がからむ場合、初期報道にはいい記事が比較的多く出て、その後出なくなったり捻じ曲げられたりすることが多いと思っています。事故が起きた のが19日午前4時頃、19日の夕刊には細かい話しはまだ..
Weblog: 携帯版雑談日記(徒然なるままに、。)
Tracked: 2008-02-22 07:32

ユニオンネット08春闘決起集会
Excerpt:  2月21日、エル大阪で開催されたおおさかユニオンネットワーク主催の春闘決起集会
Weblog: アッテンボローの雑記帳
Tracked: 2008-02-22 15:01

利権維持のため、民意を無視、解散しない、腐りきった利権顔の自民党
Excerpt:  2月20日福岡市で講演した二階俊博自民党総務会長は、衆院解散総選挙は来年以降と
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Tracked: 2008-02-24 12:37

日本共産党東京都議団が石原都知事へ『新銀行東京への税金投入の中止を求める申し入れ』を提出
Excerpt:  やや古いネタで恐縮ですが、リンクを貼りました。  日本共産党東京都議会議員団か
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Tracked: 2008-02-26 22:58

へえー、橋下徹・大阪府知事が昔、共産党議員の世話になっていたとは…
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Weblog: 嶋ともうみ☆たしかな野党 支え続けて 上げ潮めざす!
Tracked: 2008-02-26 23:18